国立駅北口から徒歩1分 中学受験専門の進学塾 鼎進学教室
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理科

~入試問題からみる「受験生に問われる力」とは~
1.情報を処理する力
①問題文・図・表・グラフからもれなく情報を集める!

○問題文・図・表・グラフには問題を解くためのヒント(情報)が散りばめられている。
それらの情報をもれなく集めることが肝心である。
しかし、多くの受験生がこの段階でつまずいている。
必要な情報にはチェックをいれることが当たり前になっていないといけない。
授業でも何度も伝えるが、とにかくこの情報収集という段階で丁寧に取り組むことが大切。

②集めた情報を整理する!

○文章読解や図・表・グラフの読み取りから収集した情報を、実際に自分で書き込む。
わかったことや知っていることは全部書き込むつもりでいてほしい。
そして基本的には一覧表にする(既存の表に一行一列つけたすといったことも多い)。
この一連の流れを身につけたい。
混沌とした状況に直面したら、「整理欲」なるものが出るようなったらとてもいい傾向である。

③集めた情報から法則を見つけ出し、予測する!

○自分で整理した情報から法則をみつけだして「こうきたらこうなる」という予測ができるようになれば、情報の収集・整理・予測という一連の情報処理の流れが完結する。
この「予測」という段階は、論理的思考力が問われる段階であるが、実は情報の収集と整理がうまくできていれば、それほど難しくはない。
ただ集めた情報を眺めるのではなく、「何か法則があるはずだから、みつけてやろう」という気持ちで探していこう!

2.基礎的事項の暗記・理解
①覚えなければならないことも多い!

○実験、観測事実から得られた知識というのはどうしても覚える必要がある。

正解にたどりつく。
「書く」というひと手間を惜しむことが、決定的に合否を分ける。
もちろん、問題に書き込むことそれ自体が「目的」ではない。
しかし、問題を解く(そして合格する)という「目的」に至る「手段」として、「書く」ことほど有効なことはない。
授業では「書き方」を学ぶのである。「書く」ことは「手を動かす」ともいう。
手を動かしているときにこそ人間は集中する。
書いて整理するということをきちんと習慣化してほしい。

③暗記事項といえども理解・イメージする!

○植物の名前や分類などは単に暗記しなければならないものだが、名前の由来、使われている漢字の意味などはその特徴・性質をとらえていることが多く、理解できると覚えやすくもなる。
自然現象や実験観察器具の名前などはまさしく漢字の意味がそのまま様子を表していることが多い。
星座や星の名前はギリシャ神話を読めば…。
記憶とはイメージが伴うと途端に頭に残りやすくなるものである。
イメージがあれば、新しい観点から問われた時にも応用が効きやすくなる。

○特に自然現象や天体に関して、いわゆる知識といわれるものの中にも仕組みを伴うものが多い。
まず根本となる事象があって、その枝葉の細かい事象が暗記事項となっているのである。
このようなものは根本の事象を図やフローチャートなどを使ってとにかく自分で書けるようにする。
自分なりの言葉をつかえると一層よい。
それさえ身につけてしまえば、実は細かい事象は大抵想像がつくようになる。
一つ一つを覚えるより、大本を理解してしまうほうが実際には役に立つものである。

3.見たことがない「新しい事象」への対策
①情報を処理する! 収集→整理→予測の3段階

○みたことがない、いわゆる初見問題を苦手とする生徒は多い。
理由は「覚えていることがそのまま使えないから」。理科は本来、暗記科目ではないので、覚えていることをそのまま使えない状況が当たり前。
かといって全く見たことがない問題というのも多くない。
基本的には知識を組み合わせて解答することがほとんどである。
しかし、本当に初見の新傾向の問題も当然ながらある。
新傾向の問題は問題文が長いことが多い。
その理由は単純明快で、受験生に考えさせるために情報を文章中に凝縮しているから。
長い文章こそ親切なのである。
その文章から情報を収集し整理する。
整理してみたら、実は知っている問題だったということもよくある。
そして法則を見つけ出し、予測できれば情報処理完了である。

②「客観的な視点」を維持せよ!

○初めて見るものに対して、人は必ず知識や経験を通じて認識しようとする。
受験生も同様に自分のわかる範囲内で理解しようとする。
そのとき、設問中の表やグラフにちゃんと数値が出ているのに、自分の「直感」だけで当てにいってしまう生徒が一定数いる。
「直感」はとても大事なのだが、条件に即してきちんと「検証」を行うことで、論理的な根拠の乏しい「直感」に根拠を与えることができる。
この過程で直感自体が間違っていると気づいたらその時点で方向修正すればよい。

○身のまわりで少しでも不思議に思った事象・現象があったら、まずはしっかり観察して情報を集めよう。
そしてその情報を整理し、予測をする。
観測を続けられるものならば、再度観測をして自分の予想と観測結果を比較する。
わからなければ調べる。
そして理解する。
この一連の姿勢が、科学的な思考を養っていく。

4.今年の傾向
○「問題文を読む」:問題を読むということは、そこに書いてあることをまず受け入れることから始まる。自分の知識・経験に基づいて考えることは大事だが、まずは問題文をしっかり理解することがスタートライン!

○「グラフ・図表の読み取り」は単元・分野を問わず増えている。
グラフの見方、表の処理の手順など、素早い情報処理能力は必要不可欠。

○複雑な計算や細かい知識を問うような出題は、以前に比べ少なくなってきている。
それよりも基本的な知識を使いこなせるかどうかが試される。
また科学なので当然ではあるが、客観的な視点・考えを問われる設問も増えてきている。

2025 鷗友学園 2回
今年の鷗友学園での出題。
グラフが出てくるとまず左から右に、または下から上に見ていくものだが、問題によって見方を変えなければならない。
この問題では濃度が下がっていくことを考えているので、当然グラフは右から左に見ていかねばならない。
すると1%から0.8%までは分解するスピードが0.01ℊで、それ以下になると分解スピードが下がっていくことが読み取れる。
そこでやっと出題の意味が見えて正解に近づける。
状況によってデータの使い方を考えさせる良問である。

ここ数年でグラフや表の読み取り、またそのデータの使い方を考えさせる設問が増えており、この傾向はいわゆる上位校だけではなく中堅校以下でも顕著になってきている。
パターンだけではなく深い理解・洞察力を身につけていきたい。