算数
男子の上位校が求める学力
それは“読解+試行+思考=読試考力”である。
一見するとどこから手をつけていいのかもわからず、途方に暮れてしまいそうな問題でも、まずは問題文の数字を足し算やかけ算、表や樹形図などの形に書き出したり、調べたり、整理していく過程を経ることによって、その問題の道筋や規則や場合分け、原理や原則に近づいていくものです。
とは言え、大半の問題は~~算といったようなこれまでの努力の成果をそのまま問われることが多いのですが、いわゆる“勝負の分かれ目”となる問題は公式や定理、安易なお得テクニックなどない、場合分け・書き出し・探し出しといったすべての受験生が初見と思えるような作問をし、平等に受験生の能力を測りたいという出題になっています。
そうなると問題文の設定条件自体が長く細かく複雑になっていることが多く(それを凌駕する良難問が毎年生まれればよいのですが)、きっちりと整理する国語力と絶対に解き切ってやるという根性を持ち続けないと正解には辿り着かないという出題傾向は強まってきています。
このような問題に対処していく力をつけていくためには
1. 普段から丁寧な作業(書き出す、調べる、まとめる)をする
2. 1の過程や結果をその度に吟味すること
3. きちんと言葉で第三者や未来の自分に説明できるようにする
4. 上の作業を日々繰り返し実践していくこと
初めは難しいかもしれませんが、上のことが当たり前にこなせるようになることが必要です。このことが身に付けば、中学入試は何物にも替え難い経験となるでしょう。
女子の上位校が求める学力
それは“処理能力と検証力”である。
(但し桜蔭を除く)
女子の上位校の問題は、男子と比較して問題数も多く、1問あたりにかけられる時間も短い傾向にあります。また、出題される範囲もまんべんなく多岐にわたり、あらゆるタイプの問題にふれておく必要があります。
どの学校の入試問題に対しても同じことが言えますが、まずは自分の得意な問題からやっつけていくこと。そして解き方・方針の見えない問題は一瞬で後回しにすること。そして解いている最中に何かおかしいことが起きたときは、まずひとつ前の作業に計算間違えをしていないかチェックする、それでも見つからないときは問題文を読み直してみる、ヒントや解法は問題文と頭の中にしかないので、それでも打破できない問題はこれも後回しにすること。とにかく解ける問題を1つ1つ仕上げていかないと、試験時間内に最大限のパフォーマンスを発揮せずに終わってしまいます。
そのため、普段から心がけて欲しいことは
1. 最短・最良の解法を身に付けていく
2. 一回で正解するための検算・検証力をつけていく
3. 全体を見渡してどの問題から手をつけていくか方針を立てて行動をとる
日常生活においても、視野を広く持ち、“いま自分が何をするべきか判断し、優先順位をつけて行動が取れるようになる”ことが大事です。
国語
【入試問題を解くにあたって必要なこと】
◎言語知識の量
漢字言語知識の問題への対応のみならず、文章読解、記述問題への対応に必要。
理科的な文章、社会的な文章でも読解に関する語彙や知識を増やすことは重要。
文章を正確に読むために必要な言語体系を身につける。
◎文章読解の力
文章読解の問題とは、情報を扱う能力を試されることである。
文章の内容を素直に受け取り、正確に把握する。
問の答えとなる情報の収集、整理。
収集、整理された情報を根拠として問に答える。(答えは必ず文章にある)
→普段学習するときも、なぜその答えになるのか根拠を示せるように解く。
(気分で解答を選ばない)
御三家は問題文が極めて難解ということではない。しかし、短い時間の中でいかに早く正解の解答を書くことができるかが大事である。また、全体を読んだうえで解答することもあるので、文章を読んで書く練習が大切である。
文章の主旨や要点を導き出す問題。
文章の構成や文脈展開を分析する問題。
文章読解の問題とは、情報を扱う能力を試されることである。
文章の内容を素直に受け取り、正確に把握する。
○「問」の重要性
題材としての文章と、採点される解答をつなぐ存在として重要。問を確実に読み、何が問われているのか、条件は何かを正確に読む能力が試される。
問の文章を最後まで読む。
問題作成者(学校の教師)と解答者(未来の生徒)との会話である。
【文章について】
◎物語の読解
整理すべき情報
自己
(主人公) 場面における中心人物 語り手 視点の主
自身に何か問題をかかえている → 問題の解決に努力する。
才能、素質を持っている → 物語の主題を実行できる。
他者 自己以外の存在 主人公の変化のきっかけ
家族 仲間 友達 味方
対立敵対関係にある存在 その他
環境 取り囲んでいる周りの世界。人間や生物の周囲にあって、
意識や行動の面でそれらと何らかの相互作用を及ぼし合うもの。
自然環境の他に社会的、文化的な環境もある。
登場人物はその影響を受ける。
できごと 人物に影響を与える様々な要素。 人物の変化のきっかけ
非日常 困難・試練 未知のできごと・価値観 異文化
他者との関わり 過去
理解の型
前・過去(現状) 変化のきっかけ(影響) 後・現在(結果)
自己中心的存在(子ども) 様々なできごと・経験 社会性のある人間(大人)
◎論説文の読解
整理すべき情報
筆者の主張 具体例 一般的事実
↑ 最も重要 ↑ 理解の助け ↑ 話題
よくある話題
現代社会に関する内容
現代人の行動変化 問題点 文明の皮肉 過去と現在の比較
文化の変化 衣食住 農 伝統 外国の文化・考え方との比較 現代の人間関係
言葉に関する内容
日本語そのもの 言葉の変化 読書から得るもの
自然に関する内容
環境問題 生態系の変化 人と自然
動植物のあり方 外国の自然観との比較
人生に関する内容
生きることそのもの 社会とのかかわり 家族
日本人の価値観 仕事のあり方 他者との関わり
ジェンダー 男らしさ女らしさを問い直す グローバル化
長文化の傾向は続く。文章の長さ、扱う情報量の多さが、まず冷静な理解を妨げる。そして文章論理展開そのものの難解さというよりは、ことばの意味がわからないことで読みづらくなっている。それでも、ある程度の語彙力があれば理解できる文章が選ばれている。また、背景に関する知識があるほうが読解力がつきやすい。そうすれば、文章になれていて速く読めるし、文章の理解につながる。
読書の経験を積むこと(文字としての言葉にたくさんふれる)によって、語彙力、文章理解の力は磨かれる。上位校(いわゆる御三家)の問題に対応するには低学年のうちから読書の習慣が身についていることが望まれる。速く読むこと、正確に理解することが問に答える前提になる。
問題冊子の情報のみ正しく整理すること。
その文章から学ぶ姿勢を持つこと。
主観的感想、個人的価値観は必要ない。
筆者の価値観を理解する必要はあるが、受け入れる必要はない。
頭の使い方を、「思う(主観)」ことから「考える(客観)」ことへ。
理科
~入試問題からみる「受験生に問われる力」とは~
1.情報を処理する力
①問題文・図・表・グラフからもれなく情報を集める!
○問題文・図・表・グラフには問題を解くためのヒント(情報)が散りばめられている。それらの情報をもれなく集めることが肝心である。しかし、多くの受験生がこの段階でつまずいている。必要な情報にはチェックをいれることが当たり前になっていないといけない。授業でも何度も伝えるが、とにかくこの情報収集という段階で丁寧に取り組むことが大切。
②集めた情報を整理する!
○文章読解や図・表・グラフの読み取りから収集した情報を、実際に自分で書き込む。わかったことや知っていることは全部書き込むつもりでいてほしい。そして基本的には一覧表にする(既存の表に一行一列つけたすといったことも多い)。この一連の流れを身につけたい。混沌とした状況に直面したら、「整理欲」なるものが出るようなったらとてもいい傾向である。
③集めた情報から法則を見つけ出し、予測する!
○自分で整理した情報から法則をみつけだして「こうきたらこうなる」という予測ができるようになれば、情報の収集・整理・予測という一連の情報処理の流れが完結する。この「予測」という段階は、論理的思考力が問われる段階であるが、実は情報の収集と整理がうまくできていれば、それほど難しくはない。
ただ集めた情報を眺めるのではなく、「何か法則があるはずだから、みつけてやろう」という気持ちで探していこう!
2.基礎的事項の暗記・理解
①覚えなければならないことも多い!
○実験、観測事実から得られた知識というのはどうしても覚える必要がある。また、理科で使われる用語についても正確に、できれば漢字で覚える必要がある。植物や動物の名前も覚えていかなければならない。挙げればきりがないが、やはり覚えることは多い。そしてしっかり覚えていると直接は問われなくても関連して思い出せることが多い。知識があれば具体的なイメージを持ちながら問題を解き進めることもできる。
②暗記事項は手で覚える! 必ず書き込みながら問題を解く!
○覚えている知識を、問題を解くときにきっちり書き込んでいる生徒ほど早く正解にたどりつく。「書く」というひと手間を惜しむことが、決定的に合否を分ける。もちろん、問題に書き込むことそれ自体が「目的」ではない。しかし、問題を解く(そして合格する)という「目的」に至る「手段」として、「書く」ことほど有効なことはない。授業では「書き方」を学ぶのである。「書く」ことは「手を動かす」ともいう。手を動かしているときにこそ人間は集中する。書いて整理するということをきちんと習慣化してほしい。
③暗記事項といえども理解・イメージする!
○植物の名前や分類などは単に暗記しなければならないものだが、名前の由来、使われている漢字の意味などはその特徴・性質をとらえていることが多く、理解できると覚えやすくもなる。自然現象や実験観察器具の名前などはまさしく漢字の意味がそのまま様子を表していることが多い。星座や星の名前はギリシャ神話を読めば…。記憶とはイメージが伴うと途端に頭に残りやすくなるものである。イメージがあれば、新しい観点から問われた時にも応用が効きやすくなる。
○特に自然現象や天体に関して、いわゆる知識といわれるものの中にも仕組みを伴うものが多い。まず根本となる事象があって、その枝葉の細かい事象が暗記事項となっているのである。このようなものは根本の事象を図やフローチャートなどを使ってとにかく自分で書けるようにする。自分なりの言葉をつかえると一層よい。それさえ身につけてしまえば、実は細かい事象は大抵想像がつくようになる。一つ一つを覚えるより、大本を理解してしまうほうが実際には役に立つものである。
3.見たことがない「新しい事象」への対策
①情報を処理する! 収集→整理→予測の3段階
○みたことがない、いわゆる初見問題を苦手とする生徒は多い。理由は「覚えていることがそのまま使えないから」。理科は本来、暗記科目ではないので、覚えていることをそのまま使えない状況が当たり前。かといって全く見たことがない問題というのも多くない。基本的には知識を組み合わせて解答することがほとんどである。しかし、本当に初見の新傾向の問題も当然ながらある。新傾向の問題は問題文が長いことが多い。その理由は単純明快で、受験生に考えさせるために情報を文章中に凝縮しているから。長い文章こそ親切なのである。その文章から情報を収集し整理する。整理してみたら、実は知っている問題だったということもよくある。そして法則を見つけ出し、予測できれば情報処理完了である。
②「客観的な視点」を維持せよ!
○初めて見るものに対して、人は必ず知識や経験を通じて認識しようとする。受験生も同様に自分のわかる範囲内で理解しようとする。そのとき、設問中の表やグラフにちゃんと数値が出ているのに、自分の「直感」だけで当てにいってしまう生徒が一定数いる。「直感」はとても大事なのだが、条件に即してきちんと「検証」を行うことで、論理的な根拠の乏しい「直感」に根拠を与えることができる。この過程で直感自体が間違っていると気づいたらその時点で方向修正すればよい。
○身のまわりで少しでも不思議に思った事象・現象があったら、まずはしっかり観察して情報を集めよう。そしてその情報を整理し、予測をする。観測を続けられるものならば、再度観測をして自分の予想と観測結果を比較する。わからなければ調べる。そして理解する。この一連の姿勢が、科学的な思考を養っていく。
4.今年の傾向
○「問題文を読む」:問題を読むということは、そこに書いてあることをまず受け入れることから始まる。自分の知識・経験に基づいて考えることは大事だが、まずは問題文をしっかり理解することがスタートライン!
○「グラフ・図表の読み取り」は単元・分野を問わず増えている。グラフの見方、表の処理の手順など、素早い情報処理能力は必要不可欠。
○複雑な計算や細かい知識を問うような出題は、以前に比べ少なくなってきている。それよりも基本的な知識を使いこなせるかどうかが試される。また科学なので当然ではあるが、客観的な視点・考えを問われる設問も増えてきている。
2025 鷗友学園 2回
今年の鷗友学園での出題。グラフが出てくるとまず左から右に、または下から上に見ていくものだが、問題によって見方を変えなければならない。この問題では濃度が下がっていくことを考えているので、当然グラフは右から左に見ていかねばならない。すると1%から0.8%までは分解するスピードが0.01ℊで、それ以下になると分解スピードが下がっていくことが読み取れる。そこでやっと出題の意味が見えて正解に近づける。状況によってデータの使い方を考えさせる良問である。
ここ数年でグラフや表の読み取り、またそのデータの使い方を考えさせる設問が増えており、この傾向はいわゆる上位校だけではなく中堅校以下でも顕著になってきている。パターンだけではなく深い理解・洞察力を身につけていきたい。
社会
~ 近年の社会科の出題傾向と、社会科の「学び」の姿勢について ~
【 学びの広さ×深さ 】を求める傾向
「社会科」は「社会化」である、という意識のもとで、入試問題をつくることが広まりつつあると言っても過言ではないだろう。
A 資料読解→文章記述を中心とし、その扱うテーマがユニークな出題 :麻布、武蔵、海城。
B 総合問題のなかに、社会性や歴史性などを盛り込み新機軸が形成されつつある :女子学院、鷗友。
【 今年度入試の概観 】
全体として見れば、各学校の特色が表れた出題傾向だったと言えるが、開成中は、ここ2~3年の難易度から、やや易化し8割前後の得点が必要であった。女子御三家は、全体として若干やさしくなった感がある(とりわけ桜蔭中は易化した分、「質の高い完成度」よりも、処理速度の側面に主眼を置くスタイル(浦和明の星・洗足学園などのタイプ)へと大きな変遷を遂げ、女子学院中は質量ともに易化した。その他、各学校は例年通りの方針を貫いたようだ。 各学校の出題が一定のレベルを維持するならば、当然対策もしやすくなるわけで、高得点勝負の学校も増えている(例 吉祥女子中・豊島岡女子中・洗足学園中などの合格者平均点の高さ)。そうすると学校側がどう工夫して出題するかが、ここ数年問われている感がある。では、単純に難易度の高い問題を出せば良いかというと、多くの受験生が知らないような知識を問う出題には首をかしげざるを得ない。むしろ、女子御三家などのように如何に学習してきたか問われる問題、すなわち、有機的に紐付けされた関連情報を縦横無尽に「運用」していく力や、あるいは与えられた条件(文章・データ・資料)を分析し考察して解答を出す問題の方が、受験生の努力が報われると考えられる。
以下、本年度の出題から検討していく。
【 本年の出題傾向 トピック分析 】
① データの読み取り問題の増加
~ 「手」で際立つ箇所を捉えよ!
自らの知識をもとに与えられた資料を読み解き、解答を導きだすタイプの問題です。グラフや 表、図版などの複数の資料を組み合わせて読み解かせるものも増加しています。しっかりと「書き込んで」情報を処理することが必要です。
例) 栄東中 吉祥女子中 豊島岡女子中 洗足学園中 鷗友学園女子中 富士見中
開成中 本郷中 渋谷幕張中 ラサール中 立教新座中 早稲田実業中 明大中野中
など他多数校で出題。
② 地形図やその他の地図の読み取り問題
〜 地図は「手」で視ろ!!!
単純な地形図の読み取りや時代の異なる地図を比較したうえで記述させる問題まであり、そのありかたはさまざまです。いくつかの学校では定番となっています。こちらも上位校から中堅校まで幅広く出題されます。
さらには、単に地形図の読み取りではなく、地図に関連する内容を問う問題も複数見られました。
例) 浦和明の星中 立教新座中 開智所沢中 豊島岡女子中 鷗友学園女子中
国学院久我山中 城北中 獨協中 穎明館中 東京電機大学中
など他多数校で出題。
③ 選択肢の吟味を丁寧に!
〜 アンダーラインや印を付けな がら、正確に判断せよ!
正確に情報を処理しうる能力を問う傾向が強くなっています。単なる選択肢でなく、二つのものを組み合わせて問うものがここ数年見られるようになりました。
例) 桜蔭中 雙葉中 女子学院中 吉祥女子中 豊島岡女子中 洗足学園中 富士見中
開成中 攻玉社中 本郷中 城北中 桐朋中 帝京大中 穎明館中 明大八王子中
など他多数校で出題。
④ 記述問題 ( 読解力(客観力) × 考察力 × 表現力 )
〜 感覚で書かず、パーツを箇条書きにして整理せよ!
従来、一部の学校で資料や長文の読み取りと関連させる記述問題中心の出題が行われていました。そうした学校には「今年はどんなテーマで迫るのだろう」と、社会科教師であれば誰もが楽しみにしています。近年、ますます多くの学校が記述問題を採用するようになりました。単に用語や知識の説明を求める問題よりも、資料や長文を読み取り、そこから考え、説明する能力が問われる傾向にあります。 自らのまわりの生活と社会のつながりを意識し、日頃からしっかりとロジカルに学べ!
例) 麻布中 武蔵中 海城中 駒場東邦中 開智所沢中A・B 国学院久我山中
栄東中東大選抜Ⅰ・Ⅱ 鷗友学園女子中 成蹊中 栄光学園中
など他多数校で出題。
⑤ 社会問題に対する意識を問う
〜 自己を社会の一員として捉え、他を想像する力の重要性。
新しい「社会科」に対する認識。時事問題を含め、現実での社会事象に基づいた出題が増加しています。身近な問題を題材に扱った出題は、まさに社会科は社会化であることを示唆しています。
(1)「働き方改革」・「物流2024年問題」関連
~ 単に時事問題としてだけではなく、消費者の便利さの追求が、運輸労働者の生活や健康を脅かし、彼らの幸福追求を省みないことにつながってくるという現代社会への警鐘なのでしょうか。
例) 武蔵中 海城中 雙葉中 城北中 獨協中 栄光学園中
などで出題。
(2)周年問題
~ もはや時事問題としてではなく定番化!?
◇ 2024から◎●年
「第五福竜丸事件から70年」 × 「自衛隊発足から70年」
「平安京遷都(794)」、「遣唐使廃止(894)」× 「光る君へ(大河ドラマ)」
「建武の新政(1334)」、「日明貿易開始(1404)」、「スペイン船来航禁止(1624)」、
「日米和親条約(1854)」、「四カ国連合艦隊下関制圧(1864)」、「秩父事件(1884)」。
「民選議院設立建白書提出150年」 × 「自由民権運動の広まりから150年」
「甲午農民戦争/日清戦争」 ×「領事裁判(治外法)権の撤廃」
「日露戦争」 × 「ポーツマス条約」
「サラエボ事件」 × 「第一次世界大戦」
「東京五輪開催と東海道新幹線開通60年」 × 「パリ五輪」 × 「ロス五輪」
◇ 2025から◎○年
「壇ノ浦の戦い(1185)」 × 「下関条約(1895)」
「山城の国一揆(1485)」 × 「加賀の一向一揆(能登半島地震から1年)」
「大阪の陣(1614-1615)」 × 「武家諸法度(1615)」 × 「参勤交代(1635)」
「日露和親条約(1855)」 × 「樺太千島交換条約(1875)」
「江華島事件(1875)」 × 「日朝修好条規(1876)」
「内閣制度(1885)」 × 「下関条約(1895)」
「普通選挙法(1925)」 × 「治安維持法(1925)」 × 「ラジオ放送開始(1925)」
「ポツダム宣言受諾から80年」 × 「アジア太平洋戦争」
「阪神淡路大震災(1995年1月17日)」 × 「地下鉄サリン事件(1995年3月20日)」
(3)時事問題 + α 新紙幣×旧紙幣/佐渡島×北緯38度×世阿弥/関西万博×大阪万博etc.
など多数校にて出題。
【 学びの姿勢はどうあるべきか 】
「情報化社会」となった今、知識量の多寡、すなわち「知る」こと自体よりも、それに振り回されずに自分のフィルターを通して、情報の取捨選択を行い、正しい情報を「使うこと」 (リテラシー)こそが大切だと考えられています。それに伴い、社会科の入試問題でも、図版・表・グラフなどの「資料」を読み取り、課題文や選択肢を情報分析することで解答へと導かれる問題の割合が増加していく傾向にあります。もちろん、基本的な用語や事項に関する知識が豊富であって然るべしで、知識力が有るにこした事はないのですが、ただし、それらを相手(出題校/出題者)と会話のキャッチボールをしているかの如く、相手(出題校/出題者)の意図を汲み取ったうえで、問題をしっかりと読み解いていくことが前提です。ただ「知っています」・「覚えています」ではなく、それらをいかに系統立て、関連情報を紐づけし、有機的に連携させ、outputの際に出力しやすいようにカスタマイズして、頭のなかの「引き出し」を引き出しやすく繋げておくことに尽きます。そのうえで、それを「使う」能力(運用力)が試される。日々の学習のなかで正確な知識の定着を図ることが「目的」なのではなく、それは問題解決のための「手段」であると認識されるようになったと言えるでしょう。
【参考】「身近なところ」に興味関心を持てば、それが社会科の扉を開いてくれます!
